山口君(最終回)

2003年11月20日

開廷後数十分の間、
レッサーパンダについて質問しまくる弁護士。
全く、質問の意図がわかりません。

質問されている証人もぶっきらぼうに答える。
どこか投げやり。
そりゃそうだ、レッサーパンダと
ジャイアントパンダの違いについて答えよと言われてもな。
証人が答えると弁護士が茶々をいれる。
証人も徐々に攻撃的になる。

そんな調子で議題は
被告人の性的情動の大きさだとか
被告人の書いた詩の検証だとか
”ちらっと”見るの”ちらっと”は
どの程度のことを指すのかについてと続いていった。
おもしろかったのは、被告人が20歳までに
ソープランドに3回行っていたという事実。
何もかも曝け出さねばならない被告人にちょっと同情。

あと、おもしろかったのは被告人は感情を全然表に出さないらしく、
少なくとも弁護士相手には一度も表情を変えることは無かったという。
それが証人相手には約2時間のコミュニケーションで笑顔を見せたらしい。そのことをおかしいという弁護士。
証人はちょっと嬉しそう。
どこか勝ち誇っている。
小学生の喧嘩みたいだ。
しかし、こんな無愛想な精神科医嫌だわと俺は思う。


山口君は終始俯いている。
一度も顔を上げることは無かった。


このような問答が一時間ほど続き、だいぶ状況が掴めた。
どうやら今回召集された証人は精神科医で、
山口君を精神に異常なしと診断したらしい。
それを覆そうつまり精神異常者にしたてあげようと
弁護士が証人喚問で尋問しているようだ。


待てよ、ということは殺人は認めているのか?
じゃあ、この弁護士がやっていることは単なる減刑狙い?
そう考えると、弁護士がうさんくさく思えてきた。
この弁護士がやっていることは正義のためとかではなく、
単なる仕事だ割り切っているのかと思うとどうも気が滅入ってきた。
被告人の頭が狂っていようが、いまいが
人を殺したという事実は変わらない。
人の裁きによってその罪が軽くなることはおかしくない?


2時間ほど喚問が続き、
一時休廷となる。
傍聴人は全て退廷させられる。


裁判というのは想像していたが、
ちょっとした言葉尻の押し問答という感じだ。
しかし、まだ裁判については俺もあまり分かっていない。
次の年休も裁判を傍聴してみようと思う。

でも桶川殺人の犯人って自殺したんじゃなかったっけ?
山口君って誰だろう?
結局、最後まで山口君は謎のままだった。

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