「Bowling for Columbine」
2003年9月29日マイケル・ムーアによるアメリカ銃社会風刺映画である。
なぜアメリカでは銃犯罪が後を絶たないのだろう?
誰もが銃を手にすることができるから?
否。
カナダも銃の一般家庭普及率はアメリカに劣らないが銃犯罪は圧倒的に少ない。
アメリカの歴史は侵略の歴史だから。
否。
欧州の歴史も同じようなもんである。
多種多様にわたる人種が生活しているから。
否。
それはもはやアメリカだけではない。
上記の中にも答えの一因はあるだろうが、原因ではない。
マイケル・ムーアが出した答えは
他人を信用できない社会と資本主義的消費社会。
他人を信用できないから、武装し、家には鍵を何重にもつけ、自分で身を守る。
そして、それを増長させるマスコミ・コマーシャル。
「恐怖心」を増幅させ、消費を煽る。
アメリカテロ以降、緊急事態用備品が売れまくっているそうだ。
他人を信用できないから銃を欲し、
消費社会が銃を提供する。
そもそも、他人が私有地に入っただけで銃で威嚇され、裁判になる社会なんて異常だ。
アメリカの銃犯罪が如何ほどかというと、
年間1万人を超す死者がでるほどだ。
これは日本の一年間の交通事故死者数に相当する。
アメリカでは、交通事故死する可能性と射殺される可能性が同じなのである。
死に方としてはどちらもまっぴらごめんだが、
少なくともアメリカでは日本の二倍死に近い。
日本では、服部君射殺事件以来銃社会についてあまり論議されていないが積極的に銃社会に反対していくべきだと思う。
久しぶりに考えさせられるフィルムだった。
ただ、虐殺のシーンで旧日本軍の南京大虐殺のフィルムを
使用したのには憤慨した。
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